第17回 『置き換えダイエットは本当に痩せるのか?』 | オーエム・エックス博士の知恵袋

こんにちは!
いつも弊社のメルマガを読んでいただき、ありがとうございます。
オーエム・エックスの社長の高畑宗明(農学博士)です。

今、このメルマガは横浜のホテルで書いています。現在、関東の大学と共同
研究をしていて、泊まり込みで実験生活を送っています。OM-Xが約30年前
に開発され、長い間世界で多くの方々に愛用され続けてきたのは、研究に裏
付けされた確かな製品力があってこそだと思います。日本でOM-Xの通信販
売を開始してからまだ2年という短い期間ですが、以前から私はOM-Xの研
究を重ねて参りました。そしてその力を、肌で感じてきました。

もちろんOM-Xの研究だけでなく、「腸」と「腸内細菌」とがどのように健
康に関わっているかという研究も欠かせません。こうしたデータを積み重ね
ることによって、より多くの方々に健康をお届けできるものと考えています。
私たちの体には、腸だけでなく、肌にも髪にも微生物が共生しています。そ
して体の外からやってくる異物に対して、体を守ってくれています。日々の
生活の中で、ぜひそうしたことを意識して、「菌をうまく育てる」方法を探
してみてください。

さて、今回は前回に引き続き「女性の美」に関係することをテーマにしてい
ます。その中でも、「ダイエット」はどんな女性も一度はトライしたことが
あるのではないでしょうか? うまくいかなかった、余計に太ってしまった、
体調を壊してしまったという方には、ぜひ読んでいただきたいと思います!

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 第17回 『置き換えダイエットは本当に痩せるのか?』
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 間違ったダイエットが蔓延している



前回の私のメルマガの中で、女性のうち3人に2人が便秘に悩んでいて、さ
らには本当は便秘なのに便秘と思っていない、もしくは気にしていない方が
50%以上もいらっしゃるとお伝えしました。これは、便秘を気にしていない
方も含めるともっと多くの女性が便秘症であることを示しています。

今、若年性の便秘もかなり多くなってきており、小学生の時から慢性的に便
が出ない子どもたちがたくさんいます。さらには、1日に10回程度便が出る
ことが普通である赤ちゃんが、1日に1回や2日に1回といったペースにな
っている子も急激に増えてしまっているのです。

こうした状況の中で、市場はダイエットブームに涌いています。特に、「食
べないダイエット」や「置き換えダイエット」は健康食品業界の中でも本当
に多く目につきます。みなさまの中でも、こうした類のダイエット手法を試
されていた方、また現在試していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
しかし、マーケティングの統計から見ると、ダイエット食品の回転率、つま
りその人が商品を何回購入したかの平均回数は1.2回程度です。言い換えれ
ば、試してやせず、また違うダイエット食品に安易に手を出している状態な
のです。

「食べない」ダイエットや、ダイエットクッキーなどの代替食(置き換えダ
イエット)では、圧倒的に食物繊維や便になる材料が足りません。普通は、
ある程度の量の食事成分がなければ、便が形作られません。そのため、何日
もかけてようやく便の材料が蓄積するという状態になります。すると、悪玉
菌が増加して有害物質を発生させてしまします。また、栄養の吸収も数日を
かけて行われるため代謝活性も落ち込みます。そして脂肪を燃焼させること
もできず、逆に太りやすい体質になります。こうして負のサイクルを繰り返
す悪いスパイラルに陥ってしまうのです。

一見やせたように見えても、それは運動量の低下による筋肉量の低下や、体
の中の水分量の低下による体重減なのです。負のスパイラルに入って太りや
すくなった体質になると、次に食べた時に体につくのは「脂肪」です。


 世界に広がる拒食症・やせ過ぎモデル問題


日本では、テレビやポスター、雑誌に登場する女性モデルは、細いことが評
価の対象となっています。しかし、これは世界基準ではありません。特にヨ
ーロッパでは「やせ過ぎモデル」を禁止している国が増えてきています。こ
れはある事件がきっかけで広まりました。
2005年11月に、ブラジル人モデルのアナ・カロリナ・レストンさん(当時
21歳)が拒食症で亡くなりました。174㎝という身長にも関わらず体重が
40kgしかなかったそうです。この事件の後、「やせ過ぎモデル問題」に対す
る議論が加熱しています。
現在、スペインやイタリアでは、世界保健機関(WHO)の定める最低BMI値
の18に達しないモデルのファッションショー出演を禁止しています。BMIと
は、「体重(kg)を身長(m)の2乗で割った体格指数」のことです。その
他アメリカ、フランス、イギリスは、規制こそありませんが、認知度向上運
動や教育といった方面から「やせ過ぎモデル」問題に取り組んで行くと発表
しています。ファッション協会は、少女たちに「やせている=美しい」とい
う誤った美の観念を与える危険性があると指摘され、その対応に追われるこ
とになりました。
日本では、ここ20年~30年間、やせている若い女性が増え続けています。
厚生労働省の国民・栄養調査によると、BMIが18.5未満の「やせ」の割合は、
20代女性の場合、84年は14.8%だったのが04年には21.4%にも増加し、5人
に1人を超えています。
「太っていないと自分では思う。でもやせたい。」そう思うがあまり、特定
の食物だけを摂り続けたり、炭水化物を摂らないダイエット手法を試したり。
すぐに疲れてしまうので体に負担をかけないように動かなくなったり。そう
いった女性が私の周りにも大勢いらっしゃいます。その方々は口を揃えて
「テレビに出ている人が細くて綺麗。あんな風になるために1ヶ月で何kg
減量したい」と話します。


 太る弊害だけでなく、やせる弊害も理解しよう


メタボリックシンドロームなど、肥満による病気リスク増加はよく知られて
います。しかし一方で、やせ過ぎでも死亡リスクは高くなります。国立がん
センターは、40~59歳の男女約4万人を対象にBMIと死亡率の関係を10年
間調査しました。その結果、BMIが23~24.9のグループを基準とすると、男
女とも「14~18.9」「30以上」の死亡率はそれぞれ約2倍となっています。
つまり、太りすぎてもやせ過ぎても、死亡率は2倍に増えていたという結果
です。

また、やせ過ぎに伴う危険の一つに骨密度の低下や骨折があります。アメリ
カで65歳以上の女性を対象に、体重と大腿骨骨折の関係を調査したところ
「とても軽い(57.8kg以下)」のグループは「とても重い(73.3kg以
上)」のグループよりも骨折した人が2倍も多かったそうです。肥満で骨に
かかる負担よりも、やせ過ぎて骨密度が低下することの方が骨折の危険度
を高めていることになります。

そして「食べないダイエット」や「置き換えダイエット」で不足する栄養素
の中に「微量栄養素」があります。置き換えクッキーなどには、あたかも栄
養がきっちり摂れるかのように記載されていますが、実際は栄養素は全く足
りていません。記載義務がある栄養素は、後から添加することによって補わ
れていますが、記載義務の無い微量栄養素は不足しています。ここでいう微
量栄養素とは、ミネラルやビタミンなどのことです。

こうした栄養素が不足すると、どういったことが起こるのでしょうか?最も
女性の中で多いのが「鉄分不足」です。もともと女性は鉄分が不足しがちで
す。これは定期的な出血などによって対外へ排出される量が男性よりも多い
ことに起因します。そのため、食事からきちんと鉄分、特に「ヘム鉄」と呼
ばれる種類を摂取する必要があります。ダイエットによって栄養が不足し、
定期的な月経のない異常な状態になり、さらに鉄分まで不足しているとなる
と本当に怖いことです。卵巣年齢も低下し、卵子の質も落ちてしまいます。
無理なダイエットをしてやせることはつまり、適切な代謝状態を体から奪う
ことになり、体をどんどん老けさせてしまうことになります。そして、若い
女性であれば、自分の将来の子どもにまで悪影響を受け継ぐことになりかね
ないのです。

「肥満でもやせ過ぎでもない、健康な体を保つ」には、どうしたら良いので
しょうか?どうしても体重を減らしたいという方は、それでも大勢いらっし
ゃると思います。そんな時にはお腹周りの脂肪減少を中心にしましょう。脂
肪が減った部位と病気のリスクを調査すると、腹部の脂肪が減るほど、高血
圧や高コレステロールなど心臓病リスクが改善することが分かっています。
一方で、太ももなどの脂肪は減らない人の方がリスクが減少するという結果
も出ています。下半身は太めの方が、実は心臓病リスクの減少に繋がるので
す。

「体重を減らしたい」からといって、何かを食べるだけ、何かを抜くといっ
た単純な発想で取り組むと、かえって体を壊し、将来の病気リスクを高めて
しまいます。自分の体をまずは知り、どの部位の脂肪を減らすことが大切な
のかをきちんと理解することが大切です。きちんとした食事、適度な運動、
腸のケアを通じて、初めて健康的な体重を維持することに繋がります。若々
しい時期を長く謳歌するためにも、「脂肪」とうまく付き合い続けることを
おすすめします。