第29回 『体の中にも時計があるの!?自律神経との深い関係』 | オーエム・エックス博士の知恵袋

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いつも弊社のメルマガを読んでいただき、ありがとうございます。
オーエム・エックスの社長の高畑宗明(農学博士)です。

突然ですが、みなさんは「時計」はお好きでしょうか?私は自分で高価な
時計を購入することはほとんど無いのですが、今は仕事の際に会社の会長
から譲り受けた時計を付けています。時計はスーツスタイルの中でもアク
セントとなるアイテムですので、「ここぞ」という時には力を与えてくれ
る必需品として役立っています。普段はG-shockや、スポーツ時に汗をか
いても大丈夫な防水タイプのものを好んで使っています。

さて、今回は腕に付ける時計ではなく、「私たちの体の中にある時計」に
関する話題です。昔からよく「腹時計」という言葉が使われてきた通り、
体の中に一定のリズムがあることは言い伝えられています。そうした体の
リズムに関する「時計遺伝子」に、近年注目が集まっています。そしてそ
のリズムには、「自律神経」が密接に関係しています。「自律神経」と
「時計遺伝子」、そしてそこから生じる体の機能の変化について見ていき
ましょう。

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 第29回 『体の中にも時計があるの!?自律神経との深い関係』 
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 自律神経は体のリズムをコントロールしています


みなさんは「自律神経」という言葉をご存知でしょうか?自律神経は、体
全身に張り巡らされた、私たちの意思とは関係なく働く神経です。体を活
動的にさせる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」からなり
ます。車に例えると、交感神経はアクセルの役割、副交感神経はブレーキ
の役割を果たしているといえます。

交感神経と副交感神経は、どちらかだけが働けば良いものではなく、バラ
ンスが大切です。通常は、交感神経が少しだけ有意な状態が最も体にとっ
てアクティブです。しかし、不規則な生活を送っていたり、ストレスを感
じたり、夜中まで電気を付けた生活をしていることで、現代人の自律神経
バランスは大きく乱れてしまっています。とにかく交感神経が過剰に高ぶ
った状態の人が多いのが現状です。

交感神経が過度に高ぶっていると、以下のような症状が出やすくなります。
・不眠症や昼間の急激な眠気
・興奮状態が続くためにイライラした気分になる
・唾液の量が減少し、虫歯になりやすくなる
・血流が減少し、手足が冷えやすくなる など

また、女性の場合は40歳を過ぎると副交感神経の働きが急速に低下する
ことが知られています。こうした状態は、実はお腹の大敵である「便秘」
と密接な関係があるのです。


 自律神経とお腹の大敵「便秘」の関係


腸などの消化器では、ぜん動運動(食べたものを次の器官に送るための消
化器の運動)によって食べ物と消化液の混和がおこなわれ、食べものが消
化されていきます。この運動は、消化器の壁全体にある「平滑筋(へいかつ
きん)」という筋肉の収縮によっておこなわれています。その一方、「括約筋
(かつやくきん)」という筋肉は、消化器同士の境界部分(出入り口)にあり、
食べ物がどんどん流れていって下痢になることがないように、出入り口を
閉める役割を果たしています。このぜん動運動のコントロールにも交感神
経と副交感神経が大切な役割をしています。

副交感神経は、平滑筋を収縮させて消化運動を活発にします。また同時に
括約筋をゆるめる働きをおこない、食べたものの消化と、消化されたもの
を次に送り込む働きを担っています。交感神経は、逆に括約筋を働かせて
平滑筋をゆるめることで、食べものを一定時間留め、きちんと栄養が吸収
される手助けを行っています。現代人は交感神経が過剰であり、また40
歳以上の方では副交感神経が低下することで交感神経が優位になり、腸の
ぜん動運動が鈍く、便秘になりやすいお腹になっているのです。

便秘が常態化すると、便が長い期間お腹の中に滞留します。こうした状態
では悪玉菌が増殖して腐敗が進み、腸内環境自体が悪化します。腸の免疫
機能が低下するだけでなく、腸で発生した毒素が肝臓に渡り、そこから血
流に乗って全身を巡ることで体調不良が起きやすくなります。めまいや頭
痛、イライラ、肌荒れが多いのは、副交感神経の割合が少なくなっている
ことも一因なのです。


 「時計遺伝子」をリセットして体のリズムを整えましょう


交感神経と副交感神経には、一定のリズムがあることが分かっています。
交感神経は朝の時間に活動が上がり、昼にピークを迎え、夜になると下降
します。これは「体内時計」という体の一日のリズムによってコントロー
ルされているのです。体内時計とは、ホルモン分泌や新陳代謝などを時間
通りにおこさせる機能のことです。以前はこのリズムの管理は脳がおこなっ
ていると考えられていましたが、最近は「時計遺伝子」によってコントロー
ルされていることが分かってきました。

時計遺伝子とは、体の中での働きに顕著な24時間のリズムが見られる遺
伝子のことです。この遺伝子のON/OFFのスイッチ(リセット)が規則正
しくおこなわれることで、体の働きが制御されているのです。そして、時計
遺伝子は交感神経・副交感神経という自律神経の切り替えにも重要な
役割を果たしています。実は、時計遺伝子のリセットには「朝の太陽の
光」と「朝食を食べる」ことが欠かせません。また、不規則な時間の夜食も
悪影響を及ぼします。この中でも近年、「朝食の欠食」が非常に多くなっ
てきています。

20代、30代の人たちでは、男女ともに約25%から30%の朝食欠食率がみら
れます(厚生労働省調べ)。また子どもの朝食欠食率も急速に増加してい
ます。朝食は、小腸の時計遺伝子をリセットして動かし、その信号が胃や
肝臓に伝わることでエネルギー代謝が始まります。この働きには特に「タ
ンパク質」が重要です。つまり朝食をとっていてもタンパク質の少ない内
容の場合は、時計遺伝子のリセットが不十分で内臓機能も低下したままに
なります。

朝食をとっていない、もしくはとっていてもタンパク質の少ない朝食の場
合、体が「次に食べ物を食べた際にたっぷり蓄積しておこう」と準備しま
す。そのため、そのままの状態で昼食を迎えると、過剰に体内に脂肪を溜
め込む機能が働き、脂肪がエネルギーとして消費されずコレステロール量
が増加してしまいます。朝食を抜くことで食事制限をしてダイエットをし
ている方は、実は過剰に脂肪を蓄積するように体が働くために太りやすい
体質になってしまうのです。もちろん、深夜の食事も肝臓の時計遺伝子の
リズムが乱れ、肝臓の代謝機能に異常が生じることが分かっています。

副交感神経をしっかりと働かせるために、まずは規則正しい生活を心掛け
ましょう。最近は、遮光性の高いカーテンが販売されていますが、体のリ
ズムにとってはよくありません。朝の日の光をきっちりと浴びるために、
ある程度光を通すタイプのカーテンを選びましょう。太陽の光は、神経伝
達物質のセロトニンの分泌を促します。幸福ホルモンとも呼ばれるセロト
ニンは、一定のテンポの運動や行動でも分泌されます。特に有酸素運動で
あるウォーキングや軽いランニングは、副交感神経を高めるために有効で
す。他にもダンスやカラオケでも良いですし、食事をゆっくり一定のリズ
ムで噛んで食べることも大切です。また、体を温めることも大切です。お
風呂にゆっくり入るなど、一日のうちで体温を高める回数を増やすことも
役立ちます。

そして、腸のケアも欠かせません。腸のぜん動運動が自律神経のバランス
でおこなわれていることはお伝えしましたが、実は腸と脳は相互に作用し
ています。腸には無数の自律神経が集中していて、腸内細菌の刺激を受け
て脳に信号を送る働きをしています。そのため、腸内細菌の働きを活発に
するオリゴ糖や食物繊維、発酵食品などの摂取は、自律神経のバランスを
整える上でもとても大切です。

南アフリカの大学との共同研究で、弊社の『OM-X』の摂取によって副交感
神経の働きが高まるというデータが出ています。全ての人にこの結果が当
てはまるわけではなく、あくまでも研究レベルですが、発酵サプリが腸の
状態に良い影響を与えていることが推察されます。ぜひ今後も『OM-X』を
日々の健康管理にお役立ていただき、バランスの良い体の維持を継続して
いってください。