第30回 『同じじゃないの!?実は違う、乳酸菌とビフィズス菌』 | オーエム・エックス博士の知恵袋

こんにちは!
いつも弊社のメルマガを読んでいただき、ありがとうございます。
オーエム・エックスの社長の高畑宗明(農学博士)です。

少し前ですが、小学館から発行されている女性誌「美的4月号」の特集の
監修をさせていただきました。タイトルは「恐るべし!ヨーグルトの美容
パワー」です。個人的にはヨーグルトを取るだけでは腸内環境の改善に繋
げるのは難しいと考えているのですが、乳酸菌について多くの方に知って
いただく良い機会だと思い、協力させていただきました。内容は、単にヨ
ーグルトといっても中に入っている「乳酸菌」の違いによって、その効果
や自分に合うかどうかが変わってくるというものです。もしバックナンバ
ー等が見つかりましたら、ご一読くださいね。

さて、今回はそんな「乳酸菌」について寄せられた疑問にお応えいたしま
す。最近「乳酸菌とビフィズス菌って一緒なの?それとも違うの?」とい
う質問をいただきます。確かに市場では「乳酸菌の中のビフィズス菌」と
呼ばれたり、単に「乳酸菌」として乳酸菌とビフィズス菌を一緒にされる
ことがよくあります。これは、正しいようで実は正しくありません。では、
その理由についてみていきたいと思います。

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 第30回 『同じじゃないの!?実は違う、乳酸菌とビフィズス菌』 
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 実はビフィズス菌は乳酸菌の定義には当てはまりません

このメルマガをお読みいただいている方々にはご存知の通り、私たちの腸
内には「腸内細菌」と呼ばれる無数の微生物が住んでいます。1000種類
1000兆個とも言われるこれら微生物たちは、私たちの健康に大変大きな
役割を果たしています。

腸内細菌のうち、善玉菌の代表格が「乳酸菌」です。「乳酸菌」は一般的
にも広く知られている善玉菌で、整腸作用や免疫活性化作用、コレステロ
ール抑制作用、抗アレルギー作用など多くの機能性が報告されています。
でも、ここで言う「乳酸菌」とは、実は数多く存在する菌の総称です。つ
まり、乳酸菌とひとことで言っても全て同じではなく、乳酸菌とビフィズ
ス菌は本来は異なる種類の微生物なのです。

その違いは後ほど詳しく見ていくとして、なぜ一般的に「乳酸菌」の中に
ビフィズス菌も含んで説明されるのでしょうか。それは、どちらの菌も
「乳酸」を作るからです。乳酸菌やビフィズス菌は、炭水化物を利用して
乳酸と呼ばれる酸を合成します。乳酸は古くから工業的にも利用されてい
て、細菌の繁殖を防ぐ作用があるために発酵食品にも欠かせない物質です。
もちろん、私たちの体の中でも乳酸は悪玉菌の増殖を抑えるためになくて
はならない役割をしています。

乳酸菌とビフィズス菌は、このようにどちらも乳酸を作るため、総称して
「乳酸菌」と呼ばれます。しかし、科学的な定義としては、「炭水化物を
使用して、主として乳酸を『50%以上』作る細菌」のことを乳酸菌として
います。一方、ビフィズス菌は乳酸と一緒に酢酸を作り出し、乳酸の割合
は50%未満です。そのため、乳酸の合成比率から見てもビフィズス菌は
「乳酸菌」の定義には当てはまらないのです。ただし、乳酸菌と同じく体
にとって良い働きをする微生物なので、「乳酸菌」として扱われています。
「乳酸を作る」という定義だけで分類すると、なんと大腸菌も乳酸菌にな
ってしまいます。


 乳酸菌とビフィズス菌は、形も住んでいる場所も全然違う

さらに、乳酸を作る割合だけでなく、乳酸菌とビフィズス菌にはさまざま
な違いがあります。その違いをいくつかに分けて見ていきましょう。

【形】
乳酸菌とビフィズス菌は形が違います。乳酸菌は「桿菌(かんきん)」と
「球菌」と呼ばれる形をしています。桿菌とは、長細い棒状の形をした菌
のことで、球菌とは丸い形をした菌です。一方、ビフィズス菌はY字状や
V字状、分岐状などの形をしています。

【体の外での生育場所】
乳酸菌は、動物に関連したものではミルク、消化管内、膣内、糞などに住
んでいます。また植物に関連したものでは花の蜜、花芽から分泌される甘
い汁、樹液、植物の堆積土、傷付いた果実や茎などにも住んでいます。ま
た、発酵食品や、発酵食品の原料となる穀物(米、麦類)、大豆、芋、野
菜類にも多くの乳酸菌が見つかります。ビフィズス菌は、主に動物の消化
管内に住んでいて、人間やマウス、ウサギ、ミツバチなどの腸管や、口腔
内、ウシやヒツジのルーメン(胃)に分布しています。

【人間の体での生育場所】
乳酸菌とビフィズス菌は、人間の体の中でも住んでいる場所が違います。
乳酸菌は主に小腸に住んでいて、ビフィズス菌は大腸に住んでいます。人
間の腸内細菌は、その多くが大腸に住んでいて、その中で健康な人の場合
はビフィズス菌が約10%を占めています。人間ではビフィズス菌の方が乳
酸菌よりも腸内に多いのが特徴です。

【栄養要求性】
乳酸菌は、自分自身で栄養素を作り出すことがあまり得意ではありません。
そのため、栄養が豊富な場所でなければ生きていくことができません。乳
酸菌がミルクや花の蜜、発酵食品や小腸に住んでいるのは、こうした理由
からです。一方のビフィズス菌は、それほど栄養要求性が高くなく、自分
で栄養素を作り出すことができます。そのため、大腸のように栄養が吸収
された後のそれほど栄養がない場所で暮らしていけるのです。

【酸素に対する感受性】
微生物の中には酸素があると生きられないものが数多く存在しています。
乳酸菌は、生きていくために酸素を必要とします。ただし、酸素がなくて
も自分でエネルギーを作りながら生きることができます。しかし、ビフィ
ズス菌は「偏性嫌気性」と呼ばれ、酸素が存在すると生きていくことがで
きないのです。人間の腸内は、小腸には少し酸素がありますが、大腸は酸
素のない嫌気的な場所です。ビフィズス菌が大腸を好んで棲息しているの
も、こうした理由があるのです。

細かく言えばもっとたくさんの違いがありますが、乳酸菌とビフィズス菌
が大きく異なる微生物だということがお分かりいただけたでしょうか?

 乳酸菌もビフィズス菌も「株」ごとに効果効能が違います

乳酸菌とビフィズス菌の違いを見てきましたが、さらにその中も多くに分
類されます。乳酸菌は現在350種類以上、ビフィズス菌は30種類以上見
つかっています。そして、その種類の中でも人間で言う「個人」のように
「株」に分けられます。全ての「株」が同じ機能性を持っているわけでは
なく、「株」ごとに効果効能は大きく違うのです。例えば『OM-X』に使用
している「TH10乳酸菌」も「株」の名前(個人名)なのです。

その中で大きく分けると、乳酸菌の一種であるラクトバチルス菌は、免疫
力を高めて感染症やアレルギーリスクの軽減に役立つ種類が多いのが特徴
です。ビフィズス菌は大腸に住んでいるので、腸の働きを活性化して便秘
や下痢症状を改善するものが多く報告されています。また、大腸の荒れが
原因で起こる肌荒れなどにもビフィズス菌は効果的とされています。

ただし、乳酸菌やビフィズス菌が腸まで届いて定着しているという結果は、
実はほとんどありません。外部から摂取する菌は、体にとっては異物であ
るため、体の免疫系によって排除されてしまうことが多いのです。生きて
腸まで届いても、およそ4〜5日間だけ滞在してウンチと一緒に出ていっ
てしまいます。自分に合うかどうかを確かめるためには、多くの種類のヨ
ーグルトや乳酸菌製品を試してみる必要があるかもしれません。

そうした中、乳酸菌やビフィズス菌を外から摂取するのと同時に、自分の
腸内に住んでいる菌を育むことがとても大切です。バランスの取れた食生
活は自分の乳酸菌のエサにもなります。その点、発酵食品は様々な栄養を
バランスよく含むため理想的です。また、便秘を解消するためには、便の
材料となる食物が必ず必要です。

昆布やワカメ、豆類、ゴボウ、アボカド、果物類に多い「水溶性食物繊
維」はビフィズス菌のエサとなって大腸を整えます。また水に溶けにくい
「不溶性食物繊維」は、便のかさを増やしたり、糖質の吸収をおだやかに
する働きがあり、穀物や野菜、豆類、キノコ、海藻、おからなどに多く含
まれます。「きなこ」は水溶性と不溶性が両方一緒に摂れるので、ヨーグ
ルトに混ぜたりするのもおすすめです。「オリゴ糖」も腸内環境を整える
上で大切。ビフィズス菌のエサになって、悪玉菌を抑制する働きがありま
す。バナナはオリゴ糖も多く含むうえに、食物繊維も豊富なので、腸に優
しい食材です。

乳酸菌とビフィズス菌の違いを理解して、ご自身の体の中の善玉菌を育て
るために、ぜひ今回のメルマガをお役立てください。