便秘とはどんな状態のこと?

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・腸の状態を判断する指標となる便について
腸の健康状態を判断するには、便の状態を見るのが一番です。便は食べものの残りカスだけでできていると考えられがちですが、実は糞便の3/4、つまり75%は水分です。この水分が腸の変調でさらに多くなってしまうと、水っぽい便となり下痢症となります。
また、1/4は固形成分からなります。固形成分のうち、実は30%は腸内に生息していた細菌(腸内細菌)の死骸です。また10~20%は脂肪、10~20%は無機物、2~3%はたんぱく質、そして残りの30%は食物および胆汁色素や剥落した腸上皮細胞なのです。つまり、便の硬さや色、形などを見ることで、きちんとした割合で便が作られているか、腸が今健康かどうかをチェックする指標となるのです。
・便を作る上で大切な食物繊維
糞便を形作る食物の中で重要なのが食物繊維です。食物繊維は人の消化酵素では分解されず、小腸を通過して大腸に到達します。そのうちの一部は腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸となります。この短鎖脂肪酸は、食欲の調節や炎症抑制、腸の細胞の新陳代謝の正常化など、多くの働きをする大切な成分です。また、残りの食物繊維は便のかさを増やすため、便通によいとされます。
食物繊維は消化吸収中の腐敗によって発生する毒性物質や余分な脂肪分を絡め取って排出する作用があります。また、腸の古くなった粘膜上皮細胞の死骸を拭き取る効果もあり、粘膜表面を清浄に保つ役割も期待されます。
便の臭いを起こす産物には、インドール、スカトール、メルカプタン類、硫化水素などがある。これらの腐敗物質は、過剰なタンパク質を利用する悪玉菌が産生します。
・便秘の定義
糞便はS状結腸から下行結腸にためられていて、その続きである直腸は普段は空です。大腸全体に、1日1回程度の頻度で盲腸からS状結腸まで、内容を一掃するような強い蠕動運動が発生します。これを総蠕動といいます。総蠕動によって糞便は直腸内に入り、直腸の壁を押し広げます。この刺激が脳に伝わることで便意を催します。
総蠕動が起こるきっかけとして重要なのが、胃-大腸反射というもので、これは一般的に朝に発生します。朝食をきっかけとして胃-大腸反射が起こります。そのためには、夜間時の空腹が必要で、朝食までに10時間程度の空腹があると胃-大腸反射が起こりやすいとされます。
排便が規則的に行われない状態が便秘です。便意があるのに我慢したり、食物繊維摂取が少なく便の量が服ないと、排便リズムが乱れて便秘とります。便秘にも原因によってタイプがあります。
 
・便秘の定義
便秘には明確な定義があるわけではありませんが、日本では学会ごとの独自基準があります。
→日本内科学会
:3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態
→日本消化器病学会
:排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指す
つまり、排便が毎日あっても苦痛や残便感がある場合は便秘であるといえ、反対に排便が3日に1度程度でも苦痛や残便感、腹部膨満感などの症状がなければ便秘であるとはいえないということです。