第42回 『黒砂糖なら使っていい?』 | すずみんの健康応援宣言!

こんにちは!
オーエム・エックスの管理栄養士のすずみんです!

梅雨です。
ジメっとした気候に雨や曇り空つづきで、
なんとなく気分もスッキリしない人が多いのではないでしょうか?

こんな時期でも、何か楽しめるものがあるといいですね!
私は、のんびりお風呂にはいって
鼻歌うたえば、リフレッシュです!

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  第42話 『黒砂糖なら使っていい?』 
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 白砂糖は絶対に嫌!
 黒砂糖以外はダメという方、ちょっと待ってください!

砂糖の栄養成分である【糖質】。
三大栄養素のひとつで、
私たちが体を動かしたり、体温を維持したり、
呼吸をしたりなど、何をするにも必要なエネルギー源となる
必要不可欠な栄養素です。

特に脳や神経は、【糖質】だけを唯一の栄養素として
使っていますので、とっても大切!
しかも、脳はその【糖質】を一番多く消費するところ。
体の血糖の約20~30%も使って働いています。


そんな大切な【糖質】。
【糖質】と言えば、砂糖を思い浮かべる方が
多いのではないでしょうか?

上白糖、黒砂糖、三温糖、水あめ・・・
いろいろな種類がありますが、どれをよく使っていますか?

今日は砂糖についてお勉強しましょう!

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 砂糖の原料と分類


砂糖には、「さとうきび」から作る甘蔗(かんしょ)糖と、
「ビート(てんさい、砂糖大根)」から作る
ビート糖(てんさい糖)があります。

甘蔗糖は、紀元前から利用されていて、
日本では奈良時代にもたらされたもの。

ビート糖は、1747年に砂糖の成分であるショ糖が
家畜の飼料として使われていたビートに含まれることが
分かってから製造されるようになりました。

さて、この砂糖。
製造方法によって、2つに分かれます。
それが、含蜜糖と分蜜糖です。

含蜜糖は、原料から絞りとった糖液を
そのまま煮詰めたもので、
黒糖や赤糖などがあります。
カルシウムなどのミネラルを多く含んでいて、
コクがあって風味も豊かです。

分蜜糖は、まず原料から絞りとった糖液を
精製・濃縮し、ショ糖を結晶化。
その結晶だけを取り出して作ったもので、
ざらめ糖や車糖(上白糖、三温糖など)、
氷砂糖や粉砂糖、水あめなどがあります。


 黒砂糖と上白糖の栄養素の違いは!?


最近よく
「上白糖は健康に悪いから、黒砂糖を使うようにしているの」と
お客様からお話をお聞きします。

上記でお伝えした通り、
黒砂糖は原料から絞りとった糖液を
そのまま煮詰めたものなので、
カルシウムなどのミネラルを多く含んでいるので
素材選びをしっかりされているなぁと感心します。

実際に、黒砂糖と上白糖の栄養素の比較をしたので見てみましょう!

   黒砂糖    上白糖 
 カロリー(kcal)  354  384
 たんぱく質(g)  1.7  0
 カリウム(mg)  1100  2
 カルシウム(mg)  240  1
 マグネシウム(mg)  4.7  微量
 鉄(mg)  31  微量
 ビタミンB1(mg)  0.05  0
 ビタミンB2(mg)  0.07  0
(100グラムあたり)

確かに上白糖よりも黒砂糖の方が
ミネラルやビタミンが多く、
栄養面では良いことが分かりますね!


 黒砂糖は体に良くて、上白糖はダメ!?


上白糖よりも黒砂糖を食事に取り入れていらっしゃいますか?

「上白糖が健康に悪いから、
絶対に使わないようにしているの。
黒砂糖以外は絶対にダメ」と
こだわっていらっしゃる方はいませんか?

この事については、私は少し疑問が湧きます。

そもそもこの2つの砂糖が、
どちらが健康に良くて、どちらが悪いのかしら、と・・・

黒砂糖も上白糖も、実際のところ
お腹の中に入れば、ブドウ糖と果糖に分かれます。
分解されて、吸収され、そして血糖を上げる速さも
どちらもほとんど変わりません。

上記の表では、黒砂糖と上白糖の栄養成分の違いで
黒砂糖のほうが上白糖よりも良いことがわかりました。
しかし、1日の栄養所要量で比べてみると
この黒砂糖に含まれるミネラルやビタミンはわずか。

1日に使う砂糖の目安量は、
大さじ2杯(20グラム)くらいまで。
(コーラなら200mlくらいに含まれる量です。)

そうすると、黒砂糖には
カリウムだと220mgで、カルシウムだと48mg含まれます。
この量は1日の必要栄養量の7~8%。
黒砂糖で栄養成分を摂取できると期待するのは
無理があります。


 結局は、適量がベスト!


黒砂糖は甘味が濃厚でコクがあり、風味も豊かです。

上白糖は、砂糖濃度が高いので防腐性が高く、
細菌などが繁殖しにくいので、ジャム等を作る時には必要です。
また酸化の防止にも役立つので、ケーキなどにも向いています。

こういった特徴から、お料理の目的によって
好みで使い分けるのがいいと思います。

健康に悪いとは、
摂り過ぎることや、食べ合わせによって起こるもの。

「黒砂糖なら大丈夫」「黒砂糖だけ」と
安心して使っているのは、逆に少し危険な気がします。

結局は、適量でバランス良く食べることが一番大切ですね!


あなたの健康への道のり、応援しています!
フレー!フレー!!!

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【編集後記】

白米より玄米。
上白糖より黒砂糖。
 ↓
よく“茶色いものがいい”と言われていますね!
本文でも書いた通り、栄養面で上であるものが多いから。
そして血糖値の上昇が緩やかになるものが多いから。

ただ、茶色くても「三温糖」は違いますよ!
上白糖をとった残りの糖液からできているからです。
あの薄茶色は焦げ付いた色。
上白糖よりも加工度は高いものと言えます。

私は上白糖も黒砂糖も両方使っています!

ちなみに、「黒砂糖」と「黒糖」は
今年3月30日、JAS(日本農林規格)法の解釈通知の改正により、
同じであることが明らかになりました。