こんにちは!
オーエム・エックスの管理栄養士のすずみんです。
9月に入っても、ここ岡山は残暑厳しい日が続いています。
みなさまの地域はいかがでしょうか?
疲れが取れない、食欲が湧かない・・・
といった夏バテのような状態が続いてはいませんか?
規則正しい生活が、今と今後のお体を守る大切なアプローチです。
決まった時間に食べる、寝る、起きるといった事や、
シャワーでなく、ぬるめのお湯に浸かること(入浴)も対策方法です☆
変わりゆく季節に、しっかり体が対応できるように管理していきましょう♪
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第72話 『あなたの腎臓を守るポイントとは?』
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たんぱく質は欠かせない栄養素
だから、たんぱく質を処理している“腎臓”の健康を考えましょう☆
これまで、数回に渡ってたんぱく質の大切さをお話してきました。
「私たちの体はたんぱく質でできている」と言っても
過言ではないほど大切な栄養素です。
毎日しっかり取り入れてほしいのですが、
それはたんぱく質を処理している“腎臓”の健康があってのことです。
今日はあなたの腎臓を大切にするために考えてみましょう☆
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腎臓とは?役割って何?
腎臓は、握りこぶしぐらいの大きさで空豆のような形をしています。
1個120~150gの重さで、背中の腰よりやや上くらいの位置に
左右1つずつついています。
心臓から送りだされた血液の約20~25%(成人で1.2~1.3L/分)は
腎臓に届けられ、塩分や有害物質、老廃物など、
体の中で必要のないものをろ過して、
尿とともに排泄する役割を担っています。
その他にも、
■体の水分量を一定に保つ
■体の電解質(カリウム、ナトリウム、カルシウムなど)の組成を
一定に保つように調節する
■体液に必要な成分を再吸収する
■血圧を正常に保つホルモンを分泌する
■血液を作り出すための命令を出すホルモンを分泌する
■細胞や酵素の働きを調節するために血液をアルカリ性に保つ
と、さまざまな役割を担っています☆
たんぱく質を処理できるのは腎臓だけ
三大栄養素の糖質、脂質、たんぱく質のうち
糖質と脂質はエネルギーとして使われた後に
二酸化炭素や水になって呼吸や汗などから排泄されます。
しかし、たんぱく質だけは、私たちの体を作ったり、
エネルギーとして使われたりした後に、
二酸化炭素や水以外に、尿素窒素などの“老廃物”となります。
この老廃物をろ過して排泄するのが腎臓です。
↓
ですから、たんぱく質の最後の処理器官は腎臓ということです☆
腎臓が疲れてくると、どうなるの?
上記のように、腎臓はいろいろな役割を担っています。
腎臓の機能が低下してくると、必要なたんぱく質が吸収されないまま
尿に排泄されてしまいます。これをタンパク尿と呼びますが、
この状態が続くと、血液中のたんぱく質が減少して
栄養障害を引き起こしてしまいます。
また、老廃物の排泄ができずに体内に溜まっていくと
全身がだるくなったり、さまざまな器官の機能の低下も招いてしまいます。
さらに、余分な塩分などの電解質の排泄が不十分になってしまうため
むくみや高血圧症、高カリウム血症などが生じ、慢性貧血も心配されます。
そして腎臓は、ビタミンDの活性化にも必要不可欠です。
ビタミンDは免疫力アップのビタミンとして知られ、
特に骨の形成に大切な働きをしています。
そのため、腎機能の低下によって低カルシウム血症などが見られ
骨が弱くなったり、曲がってしまったりといった症状も招いてしまいます。
急増している腎臓病。腎臓を健康に保つためには?
日本は、慢性透析患者が30万人を超え、
毎年約7,000人ずつ増え続けています。
そして、透析にかかる医療費は年間1兆円を超え、
全医療費の30分の1を占めています。
その背景にはメタボリックシンドロームや糖尿病といった現代病に
よるものが増え続けているため、予防は急務です!
すでに腎臓の機能が低下している場合は
腎臓の負担を減らしてあげなければいけません。
そのためには、老廃物を作り出すたんぱく質を
制限するようになります。
(ただし、たんぱく質は必須の栄養素ですから、
腎機能が正常ならば、不足なく取り入れなければいけません。)
腎臓病を予防するために、
普段から腎臓に負担をかけない食事を心がけましょう☆
ポイントは以下の通りです♪
↓ ↓
■たんぱく質を過不足なく摂りましょう☆
たんぱく質は欠かせない栄養素です。
過剰も不足もいけません。適量を摂りましょう♪
(※たんぱく質の量については、
「たんぱく質はどのくらい必要なの?第64話」をご覧ください。)
■エネルギー不足にご注意ください☆
体を機能させるために必要なエネルギーが不足すると
体のたんぱく質が分解されるため、
それによって腎臓に負担をかける事になります。
また、カリウムが血中に流失して高カリウム血症になることがあります。
■塩分の摂り過ぎに注意しましょう☆
塩分の摂り過ぎは腎臓に負担をかけます。
漬け物や塩蔵品、ハムなどの加工食品は注意してください。
■ストレスや疲労を避けて、免疫力を高めましょう☆
風邪などのウイルスから腎臓病になることがよくあります。
ストレスや疲労を避け、腸内環境を整えて免疫力を高めましょう。
糖尿病、メタボリックシンドロームなどの
現代病に気を付けていく食生活が
腎臓病予防にも繋がっていきます。
適量、適塩で、バランスの良い食事を心がけてくださいね☆
あなたの健康への道のり、応援しています♪
フレー!フレー!!!
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【編集後記】
私が病院で栄養相談をしていた中で、
難しい食事指導のひとつが腎臓病でした。
腎臓病食を患者さまにお伝えするのも難しいですが、
それを実践している患者さまは
比べものにならないほどの苦労があるだろうと感じていました。
普段から腎臓に負担をかけない食事を心がけて
多くの方に腎臓病予防を図っていただきたいと切に願います☆
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