第39回 『5月病の原因は腸内環境にある!?』 | オーエム・エックス博士の知恵袋

こんにちは!
いつも弊社のメルマガを読んでいただき、ありがとうございます。
オーエム・エックスの社長 高畑宗明(農学博士)です。

『OM-X』の製造会社であるバイオバンクは、2014年3月末に開催された
「日本薬学会 第134年会」で学会発表を行いました。タイトルは「植物
発酵エキス(OM-X)の1型アレルギー抑制効果」です。花粉症やぜんそく
などのアレルギーモデルであるマウスを用い、『OM-X』エキスが1型アレ
ルギーを抑制することが判明しました。現在も新たな研究が進行中で、
『OM-X』の奥深い可能性に、研究に携わる私自身が驚く毎日です。

さて、体に感じる不調のひとつに「精神の乱れ」があります。ストレスで
眠れない、食欲がない、なんだか気分が晴れないなど、「気分が落ち込
む」「ゆううつ」な状態が長期に続いてしまうという方も年々増えていま
す。日本では、これまで「脳卒中」「がん」「急性心筋梗塞」「糖尿病」
の四大疾病が取り上げられてきましたが、近年新たに「精神疾患」が加わ
り「五大疾病」と定義されるようになりました。職場でのうつ病や高齢化
に伴う認知症の患者数が増えている中、こうした精神と腸の関係につい
て、今回はお伝えいたします。


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 第39回 『5月病の原因は腸内環境にある!?』 
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 増え続ける五月病、うつ病などの精神疾病


新生活が始まってからの1ヶ月間。仕事や学校、引っ越しなどで環境が変
わり、最初は張り切って打ち込んでいたにも関わらず、5月のゴールデン
ウィーク明け頃からスランプ状態に陥ることがあります。こうした「気分
が落ち込む」「疲れやすい」「集中できない」「眠れない」といった状態
を「五月病」と呼んでいます。

この他にも食欲不振や胃痛、めまい、動悸などの症状を訴える人も多く、
周りの環境になじめなかったり、自分だけが置いて行かれているような感
覚になったりすることで、精神的にストレスを感じて体の症状として出て
くると考えられています。ただし、五月病と言っても必ず五月になるわけ
ではなく、普段完璧主義の人やこだわりの強い人、内向的な人などが環境
の変化でかかりやすい症状を指します。

また、近年患者数が増え続けているのが「うつ病」です。五月病と呼ばれ
る症状は、1ヶ月くらいで落ち着きますが、うつ病は慢性的な精神疾患で
す。精神的ストレスや身体的ストレスが重なり、脳の機能障害が起きてい
る状態を指します。脳がうまく働かないため、否定的な考え方になり、自
分自身をダメな人間だと感じてしまいます。そのため、ストレスに敏感に
なり余計に辛く感じてしまう悪循環に陥ります。

このように、精神疾病が増加し続ける中、「腸と脳の関係」に注目が集ま
っています。



 腸と脳は密接にコミュニケーションを取っています


近年の研究分野において、最も注目されていることの一つが「腸と脳の関
係」についてです。「腸は第二の脳」と呼ばれ、腸には脳の次に神経細胞
が多く密集した場所でもあるのです。「ガッツだぜ!」「あの人はガッツ
がある」というように、私たちは日頃から「ガッツ」=「気力、根性」と
いう言葉を使っています。

実は、この語源は英語の「腸=Guts」から来ています。こうした表現が広
まったのは19世紀のことと言われていますが、おそらく「気力や根性は
体の内部から生み出されるもの」という考え方から始まったと考えられて
います(ちなみに、テニスのラケットの「ガット」は、羊の腸を活用して
いたことに由来します)。このように、私たちは日常的に「腸」を精神の
例えとしてとらえているのです。

脳の機能と腸を始めとする消化管との相互の影響は、古くは1920年代か
ら研究されています。そして現在、腸と脳は、神経やホルモン、さらには
免疫的な経路を駆使した双方向のコミュニケーションによって、恒常性の
維持が行われていることが分かってきています。

例えば、脳には「迷走神経」と呼ばれる神経があります。この迷走神経は
感覚や運動に関係しており、喉や気管、食道、胃、小腸などの運動の促
進、心拍数の抑制などを行っています。この迷走神経から信号が消化管に
送信されて、胃や腸の働きに影響を与えています。そして、逆に腸にある
神経から脳に信号が送られることもあり、消化吸収や満腹状態との関係性
が研究されています。

もし、この経路がうまく働かなければ、気分障害や慢性腹痛症候群、摂食
障害につながる恐れがあります。また、最近多くの方々が悩みを抱えてい
る「過敏性腸症候群(IBS)」もこうした症状の1つです。迷走神経を介
した腸と脳の関係性は、私たちのストレスや行動に大きく関係しているの
です。



 腸内細菌は腸脳相関関係に大きな影響を与えています


私たちの腸には、1000種類1000兆個以上の腸内細菌と呼ばれる微生物が
共生しています。善玉菌が活発に働き、悪玉菌の働きが抑えられている腸
では、微生物たちがビタミンの合成や食事成分の分解、感染防御や免疫強
化など、私たちの体になくてはならない働きをしてくれています。実は、
こうした腸内細菌のバランスの変化が、神経系を介した脳の働きにまで影
響を及ぼしていることが分かってきました。

私たちの体には、大きく分けて3つの大切な軸があります。それは「自律
神経系」「内分泌系」「免疫系」です。自律神経系には、交感神経・副交
感神経があり、私たちの活動を活発にしたり抑制したりすることで、体の
状態をコントロールしています。内分泌系はホルモンバランスの調整、免
疫系は感染防御や炎症の調整をしています。この3軸は相互に情報交換を
することで、体の維持管理を行っています。

腸内細菌は、実はすべての軸に関係していますが、今回は「腸内細菌ー腸
ー自律神経系ー脳」の関係についてみていきましょう。

例えば、慢性的なストレスを与えたマウス(小型ネズミ)は、通常のマウ
スとは異なる腸内細菌のバランスを持つことが明らかになっています。具
体的には、ストレスを与えられたマウスは、バクテロイデスと呼ばれるグ
ループの微生物が減少し、悪性のクロストリジウム・グループが増加しま
す。人間でも健常者ではバクテロイデス・グループは腸の炎症抑制に役立
っているなど、大切な役割を果たしています。このように、ストレスを繰
り返された腸内では、腸の炎症が促進され、腸内細菌のバランスの乱れに
もつながったと考えられます。

また、慢性のストレスが、腸のバリア機能を破壊することも報告されてい
ます。ストレスを与えられたマウスの腸は、腸壁が荒れてしまい、バリア
機能が低下することで有害菌が透過しやすくなってしまいます。そうなる
ことで、血中に悪性微生物の菌体成分が入り込んでしまい、体の各種臓器
に悪影響を及ぼすこともあるのです。

より詳細な研究のために、微生物が体に住んでいない「無菌マウス」を使
った実験も行われています。無菌マウスにはもちろん腸内細菌も住んでい
ません。無菌マウスでは通常のマウスと比較し、ストレスホルモンとして
知られる「副腎皮質刺激ホルモン」と「コルチコステロン」という物質が
たくさん作られていることが分かっています。無菌マウスでは、腸と脳を
つなぐ神経系がうまく発達していないために、ストレスホルモンの合成を
抑制する機能がうまく働かないのです。また、無菌マウスと通常マウスを
比較すると、幸せホルモンとよばれる「セロトニン」の濃度が違い、さら
に無菌マウスは記憶力や行動パターンにも低下が見られ、腸と脳、さらに
は腸内細菌との密接な関係性が示されています。

腸内細菌のバランスは、環境や食事内容に大きく影響を受けます。新生活
がスタートし、環境が変化することも、精神的な変化が現れる原因の一つ
です。さらには、食事が不規則になり、栄養バランスも悪くなってしまう
と、腸内の善玉菌の減少にもつながりかねません。腸内細菌のバランスを
改善することで、精神の安定にも良い影響が与えられるはずです。是非、
ストレス解消や安定した心のバランスを保つためにも、腸の状態をケアす
ることを大切にしましょう。そのためにも、発酵食品や食物繊維・オリゴ
糖などのお腹に優しい食材は欠かせませんね。

(参考文献)
・Nature Reviews Neuroscience 13, 701-712 (2012)
・Gastroenterology Research and Practice 2014, 12 (2012)

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