認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(中編) | オーエム・エックス博士の知恵袋


 今回のテーマ

認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(中編)


こんにちは!
オーエム・エックスの社長 高畑宗明(農学博士)です。
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・『認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(中編)』


 12月も中旬となり、寒さの厳しい日が増えてきました。長期予報によると、今年は暖冬傾向のようですが、「暖冬=雪が少ない」というわけでもないようです。暖冬の際は日本海側では少雪となりますが、その分太平洋側では雪が降りやすくなるとか。油断せずにしっかりと防寒防雪対策を心がけたいですね。

 さて、前回は「認知症」の定義や症状についてお伝えいたしました。日本でも長期に渡る認知症の実態調査が開始されるというニュースもあります。今回は認知症対策として有効とされている栄養素や食事のパターンについてお届けいたします。ぜひ、ご一読ください!

『認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(中編)』


 

脳の酸化や炎症を抑える成分に注目が集まっています


 認知症に深く関係する脳は、高い代謝機能と栄養素の循環機能がミックスされた臓器です。適切な栄養摂取によって、脳は正しく効率的に機能を発揮します。実際、栄養素に特有の輸送システムが無数に脳に存在しています。そのため脳によって使われた栄養素を素早く入れ替えるメカニズムが働いています。

また、脳で発生する活性酸素を退治するために、抗酸化酵素や酵素の働きを助ける抗酸化物質が働いています。例えば、ビタミンEやビタミンC、βカロテンなどのビタミン類、マグネシウムや銅、セレン、亜鉛などの微量栄養素の摂取が、抗酸化酵素の働きを助けます。

また、脳の炎症反応はアルツハイマー病とのつながりが深いと考えられています。こうした炎症を抑える働きを持つ成分として、ポリフェノールやフラボノイド、不飽和脂肪酸が検討されています。

ポリフェノールは植物に含まれ、フラボノイドやリグナン、スチルベン、クマリン、タンニンなどが有名です。また、フラボノイドは色が豊富なフルーツ(ブルーベリー、グレープ、トマト)、お茶、スパイス、ハーブ、オリーブオイルなどに多く含まれます。さらに、不飽和脂肪酸による抗炎症作用や、長期にわたるエキストラバージンオイル摂取による認知障害の改善報告も知られています。

 

地中海式の食事や和食は認知症対策に効果的


 一方で、単一の栄養素だけの摂取は危険も含んでいます。抗酸化ビタミンのうち、ビタミンEには本来α型、β型、γ型、δ型のトコフェロールがあります。普段の食事中にはビタミンEはこうした種類の複合体として含まれていますが、アルツハイマー病の方の血中トコフェロール量(ビタミンE量)を調べると、特定の単一のトコフェロールが検出されることが多いのです(Mangialasche 2010)。他にも、抗酸化ビタミンも単一の種類の摂取では過剰摂取で有害であるという結果もあります(Gill-Guyonnet 2013)。

そのため単一の成分の摂取よりも、様々な栄養素が含まれたバランス食の方が脳の機能向上には良いと考えられます。中でも、地中海式の食事の重要性が研究されています。地中海式の食事には、フルーツ、野菜、オリーブオイル、魚などが含まれるため、抗酸化物質やポリフェノール、不飽和脂肪酸、ビタミンE、ビタミンB12、セレンといった大切な栄養素がバランスよく摂取できます。

最近のシステマティックレビューにも、地中海食は認知症状の改善につながると報告されています(Lourida 2013)。もちろん、地中海式の食事だけではなく、様々な食材をバランスよく使用している日本の和食も、こうした効果が期待できると考えられます。

そして、認知症と腸内環境に関する研究も増えてきています。腸と脳のつながりからも切り離せない内容ですので、ぜひお楽しみに!
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