認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(後編) | オーエム・エックス博士の知恵袋


 今回のテーマ

『認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(後編)』


こんにちは!
オーエム・エックスの社長 高畑宗明(農学博士)です。
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・『認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(後編)』


 今年もいよいよ年末が近づいてまいりました。私の一年を振り返ると、今年は研究論文を発表し、一つ実績を積み重ねることができました。来年以降も製品の機能性と品質の向上に努力し、お客様にさらなる健康をお届けできるように精進いたします。

 さて、前回までにお届けしてまいりました「認知症」の内容ですが、今回で最終回。「腸は第二の脳」と呼ばれているように、実は密接なつながりがあります。最近では自閉症と腸内細菌の関係性も報告され、大きなニュースにもなりました。今、注目される腸と脳の疾病の関係性について、最新の情報をぜひご一読ください!

『認知症対策のためにバランス食と腸内ケアを(後編)』


 

脳の炎症の引き金に腸内細菌が関係しています


 近年、認知障害の患者の腸内細菌の変化が研究されています。認知症患者では、腸内細菌のバランスが変化して特定の種類の微生物が増加し、炎症に関わる成分が合成されていることが発表されています(Bajaj 2012)。

 また、アルツハイマー病の一因として、炎症に関わる物質を産生する「グリア細胞」が注目されています。普段、グリア細胞は脳内の損傷に対応して、脳を正常な働きに戻すために軽度な炎症を起こしています。しかし、アルツハイマー病では、このグリア細胞が過剰に活性化して神経細胞の機能不全や細胞死を起こし、有害な炎症性物質を作り出してしまうのです。

 このグリア細胞の活性化に、腸内細菌のバランスの悪化が関連していると考えられています。食事バランスの悪化や加齢により、腸内環境が変化をきたします。その結果、悪玉菌の酵素によって炎症が腸内で起こります。この腸の炎症の情報によってグリア細胞が活性化され、神経性の炎症が起こり、認知機能障害が発生します。

 さらに、血中コレステロールが高い人や肥満の人も要注意。アルツハイマー性認知症、血管性認知症のリスクが共に高くなることが報告されているのです(Xu 2011)。

 

過敏性腸症候群と認知症にも実はつながりがあります


また、IBSと認知症との関係性についても研究されています。IBS(過敏性腸症候群)とは、下痢や便秘などの便通異常をともなう腹痛や腹部不快感が、慢性的に繰り返される疾病のことです。現在のストレス社会で急増している病気のひとつです。男女共に約10%がIBSと見積もられており、10~30代での罹患率が高いことが分かっています。

IBS患者では、腸内に炎症が起こり、LPS(リポポリサッカライド)が過剰に生産されていることが知られています。このLPSは大腸菌などの種類に多く含まれ、悪玉菌が増えると増加する炎症成分として知られています。このIBSに由来する炎症が、神経炎症につながり、脳の海馬や小脳の機能障害につながり、加齢に伴う認知機能を増悪させているのではないかとされています。

つまり、IBSの兆候を見つけることや、それに伴う適切な処置、治療は認知の機能障害を回避し、認知症の弊害を最小限に食い止めることにつながると考えられます。腸内環境を整えることで、未然に脳の働きを整える対策を練ることが大切なのです。
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